山岳渓流会 岩遊

thumbnail


  • 沢登り




8月 フトコギ沢

メンバー 堤 、福士

新潟県の足拍子岳のフトコギ沢に行ってきた。結論から言うと非常に疲れる沢で、どこまで行っても休まる所は少ない。

沢を抜けてクロガネノ頭に着いても登山道の跡は全くなく、下山はジャングルの様な蜜薮を掻き分けて行かなければならない。

しかし、足拍子岳の標高は1408メートルしか無く遠くから見るとこの山はどこにでもある里山である。

しかしこの沢はネットでこの沢に行った人の記録を検索してみてもほとんどの人が非常に苦労したとの記録が多かった。

我々の山行のコースは沢の駐車場から出て、クロガネノ頭というピークから西に尾根を伝い、経木ノ沢(きょうぎのさわ)を下山ルートにして北に下山する予定だったのだが、なんと真南に下山してしまったのだ。

どの記録にもクロガネノ頭付近は迷いやすいとの記録があり、事前に用意した地図にもしっかりと書いておいたのだがクロガネノ頭に着いた時間が17時で日没の時間が迫っていたせいもあって下山ルートを間違えてしまった。

ネットで調べた記録では南に下山した人の記録によると、下山中に底が全く見えない大きな滝に遭遇したとか、会長は北尾根の蜜薮を下山したが安全な場所に着いたのが夜中の12時だったとかこの沢にまつわる大変な話は多い。

結果的に反対側に下山してしまったが、怪我も無く無事下山できた事にうれしかった。

この山域を登る場合はGPSを持っている人は持っていった方がいいと思う。

我々が沢の出合いを仕度を終えて出発したのは6時35分。

いよいよこれから登る沢に気が引き締まる思いだった。
フトコギ沢1
7時20分、沢沿いを登って行くと最初の滝F1が現れる。最初の滝から少しいやらしく、滝の直答も両サイドへ巻いて登る事もなかなか難しく感じたので、流木をうまく使い登った。

フトコギ沢2
7時40分、悪絶で有名なコマノカミ沢が左側から流れ出ている。

ネットではコマノカミ沢を登った記録は見当たらなく、登山体系という本にはコマノカミ沢について、水流が多い時は流水溝は登れず、この沢を登る事はできないだろう。とも書かれている。

フトコギ沢3
水を下で汲んでくるのを忘れてしまい、途中で沢の端から出る水を汲むが、何故だかこの沢の水は薄茶色く濁っており、きれいな水とはいえない。

事前に必要な水を汲んでおく事をおすすめしたい。
フトコギ沢4
この沢は基本的に両側が岩に囲まれたており、日が射さなくてうっそうとしている。

滝も基本的にしっかりと掴める岩が無く、だましだまし登る。
フトコギ沢5
9時半、この沢の核心部に着く。ここはアブミという登山用の縄はしごを2つ使い抜けた。ここはアブミ無しでは登る事はできない。

リーダーの堤さんがトップで登るとき私は堤さんのビレイをしていたのだが、滝の水流をよけて立つ場所は無く、ビレイをしている最中ずっと水流が私を直撃していてものの数分で全身ずぶぬれになった。

9月末であったら冷えきってしまったに違いない。

アブミを掛けるためのハーケンはちぎれてしまいそうな位錆びていて、慎重に登った。
フトコギ沢6
核心部を抜けても気は抜けない。

100メートル位あるナメ滝の水流沿いはどこもかしくもつるつるで登れないので、水流の脇の草つきのスラブを登ったのだが、これまたまともに掴むところは少なく、だましだまし登った。

ここの足下の岩や石はもろいので頼りない草や細い木の枝を掴みながら滝を巻く。
フトコギ沢7
2〜3メートルの滝でもいちいちめんどくさく登れない滝を処理し続けて12時45分に、沢の3分の2位登った場所にある18メートルの滝に到着。

この滝も直登は不可能なので、右壁側を高巻く。垂直に近い場所も越えながらこの滝を越えるのに1時間ちょっとかかった。

この滝を越えてからも続く2〜3メートル位の小滝が連続して出てきたが、両壁ともつるつるで越える為のホールドがほとんどない為、登る為に
一人が壁に手をつき、踏ん張ってその肩の上を足がかりとして越えるという技を繰り返す。

この滝を越えた辺りから小さなブヨが顔の周りを何十匹と払っても払ってもまとわりついてくる。顔を覆うネットを持ってこなかったことを後悔した。

もうこの辺りまで来るといい加減早く沢を抜けて一番上のピークに到達したい気持ちで一杯になった。
フトコギ沢8

ルート図を見ると7メートル滝が3つほどあって、その他にも3メートル滝がいくつか書いてあるのだが、ルート図に書いていない様な2〜3メートルの滝でもいちいち登るのが難しく、疲れがどっと押し寄せてくる。

この滝は7メートル滝だが、滝の水流沿いはつるつるで登れないので、右の岩の部分に取り付くが高さ2メートルの部分はほとんど掴める岩が無く、私の肩を足場として堤さんが上に登ってからお助けロープを出してもらいロープを掴んで登って行く。

この滝の上部に行くと岩が苔でぬるぬるで、今度は私が水流沿いに左に登って滝の上部に到達してお助けロープを出した。

フトコギ沢9
沢をつめて草つきのつるつるしたスラブを越えて行くと、蜜薮の稜線目指して登って行く。

狩猟でならした堤さんは、蜜薮をどんどん先に行ってしまいあっと言う間に姿が見えなくなる。

笹の薮と灌木を掻き分けながら稜線に着いた時はちょうど17時だった。

着いたはいいものの、6〜7年前のネットで見た記録にはうっすらと登山道の跡があった様だが、我々が行った時は全く登山道の跡はなかった。

ケモノ道やシカ道すらない。

日没まであとおおよそ1時間半。

日が暮れるまでに下山しなければならない。リーダーの堤さんが先頭にどんどん先に行くが、またしても姿が見えなくなってしまう。

必死で下山して行くと沢筋が出てきて格段に歩きやすくなった。薮と比べると登山道を歩いている様な気になった。

フトコギ沢10

沢を歩いて行く事約1時間半。出てきた滝はほとんどが簡単に下れ、大きな滝にもほとんど出くわさなかった。

日が暮れそうになった時、先に歩いていた堤さんの声がした。どうやら林道に着いた様だ。

コンクリートの橋が見えた時はやっと着いたといううれしさでいっぱいだった。こういう時は本当に人工物を見ると生きた心地がするものである。

へとへとだったが林道を車を停めた方に向かったが、どこまで行っても車は見当たらない。

標識があったので見てみると、どうやら下山予定の真反対の土樽方面に降りてきてしまったらしい。

        「今まで下ってきた沢は一体どこの沢だったんだ?」

という疑念が浮かんできたが、とにかく下山できた事がうれしかったのでそんな事はどうでもよかった。

我々は地元のタクシーを呼んで車を置いた場所に戻った。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA







Pagetop